ブロケードコミュニケーションズ システムズは11月18日、Yahoo!JAPANがブロケードのBrocade VDX 8770スイッチ、Brocade VDX 6740スイッチ、Brocade ADXシリーズ・ロードバランサ、およびBrocade MLXeルータを採用し、自社のサービス開発者向けOpenStackプライベートクラウドインフラを構築したと発表した。このOpenStackプライベートクラウドインフラは、Yahoo! JAPANの国内データセンタおよび同社の米国子会社「YJ America」の新規データセンタにおいて2015年4月の正式稼働を予定しており、2014年12月よりテスト稼働を開始する。

Yahoo! JAPANは、多数のサービスを提供するためのシステム基盤において、早い段階からサーバ、ストレージ、ネットワークなどのリソースをオンデマンドで提供できるプライベートクラウド環境を整えてきたが、ハードウェアに依存するシステム構成のため、サービスの移転などで生じた余剰ラック・スペースを別の用途で再利用しづらいなどの課題があった。同社はこの課題を解決すべく、各サービスをサーバ、ストレージ、ネットワークなどのハードウェアに依存しない形で運用し、データセンタのライフサイクルを最適な状態に維持できるよう、ハードウェアを抽象化することを新たな目標として定め、プロジェクトを発足し、クラウド基盤ソフトウェアにOpenStackを導入することを決定した。

ブロケード製品を組み合わせて構築されたYahoo! JAPANのOpenStack基盤は、2014年12月よりテスト稼働が開始される。2014年10月時点で作成済みの仮想サーバは合計6万台に及び、今後も1ヶ月あたり平均5,000台程度の仮想サーバを追加し、年内にはそのうち5万台以上がOpenStack基盤で提供される予定。さらに、2015年内には10万台のシステム規模も視野に入り、ブロケード製品との連携による仮想ネットワークサービスを実現したことで、ネットワーク関連の運用工数が簡素化できるものと期待されるという。

(川原 龍人/びぎねっと)

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