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理化学研究所、スーパーコンピュータ「京」を利用した超高解像度全球大気シミュレーションの成果を発表

理化学研究所は9月20日、スーパーコンピュータ「京」を使って、水平格子間隔1km未満の超高解像度の全球大気シミュレーションを行うことに世界で初めて成功し、これによって、従来は困難であった積乱雲の表現に成功したと発表した。本研究により、一つ一つの積乱雲から全球規模の積乱雲群との相互の関係をより正確に調べることが可能となり、甚大な被害をもたらす積乱雲群である台風や、集中豪雨などの発生メカニズムの解明、雲の気候への影響の研究などに寄与することが期待できるという。

現在の天気予報は、地球全体を細かな水平格子に切り分け、その格子ごとの大気の状態を予測する方法が取られており、各格子を細かくすることで予報精度を上げてきた。しかし、これまでの全球大気のシミュレーションでは水平格子間隔3.5kmが最高解像度となっていたため、より高い解像度での分析手法が待たれていた。今回のスーパーコンピュータ「京」を利用した研究により、世界で初めて水平格子間隔1km未満の大気シミュレーションに成功し、大きなスケールの現象から個々の積乱雲(水平スケール数km)まで精緻に表現できているという。

今回の研究成果を応用することで、台風や集中豪雨などの発生メカニズムの解明に寄与する、より詳細な天気予報の手法を確立できることなどが期待できるという。

(川原 龍人/びぎねっと)

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