セキュリティ情報
IPA、2012年6月分のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況を発表
独立行政法人情報処理推進機構は7月4日、2012年6月のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況をまとめ、発表した。
今回の発表では、最近”海外のWebサービスのパスワードが大量に流通している”という報道があったことを指摘。国内の企業でも、インターネット利用者の多くが複数サイトで同じIDとパスワードを使い回している現状を指摘し、不正取得したIDとパスワードのリストを悪用して不正アクセスを試みる「パスワードリスト攻撃」が確認されている。今年3月に不正アクセス禁止法が改正され、5月に改正法が施行されたことにより、パスワードを不正に取得・保管・提供する行為や、騙してパスワードを窃取しようとする行為(フィッシング)も取り締まりの対象になったため、同ニュースリリース内では改正法施行における注意事項について解説し、社会全体での犯罪の抑止について呼びかけている。
コンピュータウィルス届出状況は、6月のウィルスの検出数は21,990個で5月から8.7%増加。6月の届出件数は958件で、5月から1.2% の減少。検出数の1位は、W32/Mydoomで11,395個、2位はW32/Netskyで7,800個、3位はW32/Mytobで1,541個。6月の不正プログラムの検出数は25,399個で、5月から68.6%の減少。検出数の1位は、オンラインバンキングのID/パスワードを窃取するBancosで5,417個、2位は、偽セキュリティソフトの検知名であるFakeavで3,897個、3位は、広告を表示させるプログラムの総称であるAdwareで2,190個。
不正アクセス届出状況は、6月の届出件数は2件で、2件とも実被害があったもの。不正アクセスに関連した相談件数は38件、そのうち何らかの被害のあった件数は12件。被害届出の内訳は、なりすまし1件、不正プログラム埋め込みが1件となっている。
(川原 龍人/びぎねっと)