Preferred Networks(PFN)は9月6日、深層学習技術とスーパーコンピュータ「MN-2」を使ったAI創薬技術を開発したと発表した。

今回の技術は、京都薬科大学の研究室との共同研究となっており、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）治療薬の「リード化合物」の有望株を発見したという。

　「リード化合物」は、実際の化合物を使って新薬を作る前に候補となる化合物。AI創薬は、候補物質の探索、分子設計、モデリング、最適化などをコンピュータで行うことで、創薬期間を短縮する考え方。PFNは深層学習と豊富な計算能力を利用し、独自のAI創薬プラットフォームを構築しており、AI創薬ならではの分子構造の提案もできるという。

　これまでに発見されている、新型コロナのメインプロテアーゼ阻害物質は、「ペプチド様化合物」に集中しているが、将来のウイルスの変異に備えるため、異なる構造の「非ペプチド様化合物」の発見を目指して研究を進めたところ、PFNの創薬プラットフォームが複数の化合物を提案。うち13化合物を実際に合成して活性試験を行った結果、7化合物で、新型コロナのメインプロテアーゼの活性を阻害する作用を確認したという。

（川原 龍人/びぎねっと）

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