セキュリティ

情報処理推進機構、2008年のコンピュータウィルス・不正アクセスの届出状況を公開、感染手口の巧妙化を指摘

情報処理推進機構(IPA)は1月7日、2008年のコンピュータウィルス・不正アクセスの届出状況を公開した。この発表の中で、同機構は『従来の常識が通用しないほど感染の手口が巧妙になっている』とし、ユーザに注意を呼びかけている。

2008年のウィルスの傾向として、ウィルスの検出数そのものは減少しているものの、「感染の手口が巧妙になってきたこと」を指摘。従来は安全と言われていたPDFファイルやWordファイルなどのデータファイルにウィルスが潜んでいる事例、有名な企業のWebサイトが改ざんされ、そのページを閲覧したパソコンにウィルスを取り込ませる仕掛けになっていた事例が確認されていること、USBメモリを介して感染する事例も増加している現状を公表。ユーザが知らない間にウイルスに感染してしまう危険性が増加しているとした。

また、同文書の中では、ウィルス感染時の被害事例も紹介されており、PC内の情報を盗むことや、感染したPCを二次利用することなどを目的としたケースが増加していることを指摘している。ウィルスへの基本的な対策としては、「ウイルス対策ソフトの活用」と「脆弱性の解消」を挙げている。特に、PDFファイルに潜むウイルスに感染する、Webサイトを見ただけで感染するといった攻撃は、アプリケーションソフトの脆弱性を悪用したものであるため、脆弱性の解消の重要性も強調している。

(川原 龍人/びぎねっと)

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