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理化学研究所、新しいスーパーコンピュータ「HOKUSAI GreatWave」稼働開始

理化学研究所 情報基盤センターは4月3日、新スーパーコンピュータシステム「HOKUSAI GreatWave(HOKUSAI-GW)」の稼働を開始した。

HOKUSAI-GWの超並列計算システムの理論演算性能は1 ペタフロップス(毎秒1,000兆回の浮動小数点演算を実行できる性能)。HOKUSAI-GWシステムは、理研の幅広い研究分野、物理学、化学、工学、生物学、医科学での利用ニーズを考慮して設計した。機能の異なる3つの演算システム、 ①外部記憶装置であるストレージ・システム(オンライン・ストレージ・システム、階層型ストレージ管理システム) ②超並列演算システム ③アプリケーション演算システム(GPU[3]搭載、大容量メモリ搭載)を高速ネットワークInfiniBand(FDR 4X)で接続し、それらをあたかも1つの計算システムであるかのように利用できる環境を構築した。このため、シミュレーションから実験パラメータへのフィードバックや、実験データのシミュレーション利用などデータ連係を容易に行うことができ、実験とシミュレーションのスムーズな連携を可能にしている。

HOKUSAI-GWシステムは、幅広い分野の研究開発活動をカバーするために設計された、研究者の研究開発活動のベースとなるシミュレーションやデータ解析などを効率的に行うことが可能な研究基盤システム。今回稼働したHOKUSAI-GWシステムに続き、2016年頃に「HOKUSAI BigWaterfall(HOKUSAI-BW)」が導入される予定。

新スパコンシステム導入の際には、一般的に1ヶ月程度のシステム全停止を伴うが、今回のシステムリプレース作業では、コンピュータ室内を分割し、従来のシステムであるRICCの稼働を可能な限り継続したうえで新システムへ移行することを目標としており、完全な利用停止期間を2週間に短縮し、利用者への影響を最小限にとどめたという。

(川原 龍人/びぎねっと)

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