セキュリティ

情報処理推進機構、大規模・複雑なシステムの障害診断の新手法を取りまとめ

情報処理推進機構 ソフトウェア高信頼化センター(SEC)は11月19日、大規模・複雑なシステムで障害が発生したときに、迅速かつ的確に診断する手法を、組込みシステム技術協会(JASA)と共同で開発し、取りまとめたと発表した。

本手法の特徴は、シミュレーションによる障害の再現を行う方法が採用されているため、実際のシステムを毀損することなく、想定されるすべての障害を仮想的に発生させて検証することができる点にある。システムの大規模化、複雑化に伴い、システム障害が発生した際にその原因を特定することが困難になり、影響範囲が大きなものになってしまう問題に対処するため、1.シミュレーションによる障害の再現を行い、2.原因の仮説を検証しながら診断を行う、3.ソフトウェアロジックの不具合を見極める「形式検証手法」を組み合わせた方法を採用した。

また、システム全体の振る舞いを確認しながら分析できるため、原因箇所の特定がしやすく、分析に要する作業時間の短縮が期待できる。システム実装前の動作検証にも使用できるため、障害の未然防止にもつながる。その他にも、実際のシステムをシミュレーションできるため、操作員向けのトレーニングや、非常事態を想定した訓練などへの活用が可能といった特徴も挙げられる。

今後は、これまでの活動結果を取りまとめ、2015年3月に報告書を公開する予定。 さらに、「STAMP」のような新しい安全解析手法を取り入れるなど、実用性の向上を進め、本取り組みで提案する診断・原因分析の手法を新たなフレームワークとして普及展開を図る。

(川原 龍人/びぎねっと)

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