セキュリティ
富士通、手のひら静脈と指紋を用いた100万人規模の認証技術を開発
富士通は6月1日、手のひら静脈情報と指3本の指紋情報を組み合わせた生体認証技術を開発したと発表した。手のひら静脈と指紋の両方の情報を利用することで、100万人規模のデータの中から特定の個人を識別する処理を2秒以内に行うことができる。
ICカードに登録された、特定の生体情報であるかないかの判断する場合は、1種類の生体情報だけを利用する現在の1対1の認証方式でも十分だが、多数の人の中から特定の個人を認識する1対Nの認証においては、母数が100万、1000万と多くなると、他人との違いが明確に区別できない場合があるという。1対Nの認証では、全ての登録データと突き合せた認証を行うため、1対100万での認証精度は1対1に比べて100万倍高い精度が必要とされる。他方、そのために複数の生体情認証方式を組み合わせると、それぞれの入力作業が別々になってしまい、利便性が下がってしまう。
今回発表された技術では、すでに普及している指紋認証に、高い認証精度を持ちながら偽造やなりすましなどの不正行為に対して強堅な手のひら静脈認証を融合することにより、100万人の中から特定の個人を識別することが可能。プレスリリースによると、この技術は世界で初となる「手のひら+指紋による、100万人規模の認証技術」になるという。
本技術を利用することで、入退室管理用の小規模なものから社会基盤システム向けの大規模なものまで、手ぶらで個人認証を行う生体認証システムを利用者の規模に合わせて構築することができる。また、すでに普及している指紋センサーに手のひら静脈認証を追加するだけで容易に導入することも可能だという。
(川原 龍人/びぎねっと)
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