セキュリティ
法務省、「いわゆるサイバー刑法に関するQ&A」を公開
法務省は、「情報処理の高度化等に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」、いわゆるサイバー刑法に関するQ&Aを公開した。
この中では、
○この法案は、コンピュータ監視法案ではないかという指摘があるが、どうなのか」「なぜ、この時期にこの法案を提出したのか
○コンピュータ・ウィルス作成罪は、思想・良心の自由や表現の自由を制約するものではないのか
○コンピュータ・ウィルスの作成・提供罪により、ウィルス対策ソフトの開発等の正当な目的でウィルスを作成した場合や、プログラマーがバグを生じさせた場合まで処罰されることにならないか
○コンピュータ・ウィルスを作成しただけで処罰されることになると、コンピュータを監視することができるようになるのではないか
○単にコンピュータ・ウィルスを送り付けられて感染させられた被害者まで処罰されることにならないか
○接続サーバ保管の自己作成データ等の差押え(リモート・アクセス)が導入されると、1台のパソコンについて差押許可状を得るだけで,ネットワーク中の全てのデータを取得できるようになるのではないか
○保全要請の規定が新設されると、捜査機関は無令状で通信記録を簡単に取得できるようになるのではないか
○保全要請の規定が新設されると、捜査機関はプロバイダ等の通信会社から半ば強制的に通信履歴を取得できるようになるのではないか
○この法案は、捜査権強化の第一段階にすぎず、これを成立させた後は、共謀罪の成立や通信傍受の拡大など、更なる捜査権限の拡大を狙っているのではないか
といった疑問に答える内容になっている。
(川原 龍人/びぎねっと)