フィッシング対策協議会は6月1日、直近1年間におけるフィッシングの動向のレポート「フィッシングレポート 2022」 を公開した。

このレポートでは、直近1年間におけるフィッシングの被害状況や動向、使用されている攻撃技術・手法などが紹介されている。

同協議会に届けられた国内のフィッシング情報の件数は、2021年度の届出件数が著しく増加しており、合計して30万件を超えている。月ごとに見ると、5月から7月にかけて一旦減少し、8月からは元の水準に戻り、9月から再び増加、12月には過去最多となる63000件をマークした。

フィッシングで狙われる対象はクレジットカード情報が多くを占める。また、手口としてEC系のブランドを偽るものが全体の約53.6%、クレジットカード会社を偽るフィッシングも35.2%、そのほかにも保険会社を騙るフィッシングなどが発生している。新型コロナウイルスの蔓延に伴う厚生労働省や特別定額給付金を騙るフィッシングも観測されている。ショートメッセージ（SMS）を利用したフィッシングでは、宅配便の不在通知、EC系サービス、通信キャリアなど偽るものが多く報告されたという。SMSを悪用したフィッシングで入手した情報をもとにして別のフィッシングに誘導する手口も報告されている。

フィッシング対策協議会では、上記レポートのほかにも、フィッシング被害を未然に防ぐための事業者および利用者向けのガイドライン「フィッシング対策ガイドライン（2022年度版）」を公開している。

(川原 龍人/びぎねっと)

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