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東芝デジタルソリューションズ、量子鍵配送と耐量子計算機暗号を組み合わせた大容量・低遅延光トランスポートネットワークの検証
東芝デジタルソリューションズは11月5日、量子力学の原理に基づき情報理論的に安全性を担保する量子鍵配送(Quantum Key Distribution、QKD)と、計算量的複雑さにより安全性を担保する耐量子計算機暗号(Post Quantum Cryptography、PQC)を組み合わせた、大容量・低遅延光トランスポートネットワークの実装と動作検証に成功したと発表した。
QKDは、量子力学の原理に基づいて情報理論的に安全に暗号鍵の配送を実現できる。PQCは、量子計算機でも解くことが困難とされるアルゴリズムで、解読における計算量的複雑さにより安全性を担保する。QKDに比べてPQCは、計算機の発展によってアルゴリズムを改良せざるを得ない可能性があるものの、実装が簡素であり通信には無線も含めた現在の情報通信ネットワークを利用できることから、適用のしやすさがメリットとしてある。一方、QKDは光伝送路上での盗聴に対しては安全性が確保されるものの、システム全体としてはQKD装置から暗号化システムまでエンド・トゥ・エンドでのセキュリティ確保が課題となっていた。
同社は、QKDとPQCを組み合わせ、拡張性に富む暗号鍵配送システムの検証を行った。複数の鍵共有方式を組み合わせて利用できる「xKD」(QKDやPQCなど様々な鍵交換の総称)という新たな構成を導入することで、QKDにより共有された量子鍵が、PQCにより高い安全性をもって光伝送装置に渡されるという。
(川原 龍人/びぎねっと)
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