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NTT、エッジコンピューティング環境を想定した非同期分散型深層学習の技術を発表

 NTTは8月24日、エッジコンピューティング上の機械学習を想定した非同期分散型深層学習技術を実現したと発表した。

 現在の機械学習、特に深層学習では、1か所(クラウド)にデータを集約し、画像/音声認識等のモデルを学習することが一般的となっている。しかし、IoT時代においては膨大なデータをクラウドに集約することは困難であり、また、プライバシー保護の観点で、データをローカルにあるサーバ・機器にとどめたいという需要も増加している。また、EUの一般データ保護規則(GDPR)のようなプライバシー保護のための法的規則も強化されつつある。

 今回の研究では、エッジコンピューティングのように分散配置されたサーバ群に分散してデータが蓄積されていく環境でも、あたかも一か所にデータを集約して学習したかのようなグローバルモデルを得るための学習アルゴリズムを開発することとなっている。今回開発した技術は、(1)統計的に非均一なデータがサーバー群に蓄積されていて、(2)サーバ群がモデルに関連する変数を非同期に通信/交換していても全てのデータを1か所に集めて学習したのと同等のモデルを得られることを確認したという点で、学術性・実用性が共に高い学習アルゴリズムだと言えるという。

 同社は今後、エッジコンピューティングを活用した大規模なAI応用が期待される分野での実用化を目指して、パートナーと連携しながら研究開発や実証実験を継続していくとしている。

(川原 龍人/びぎねっと)

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