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IBM、量子コンピューティングサービスについて重要なアップグレードを発表

IBMは11月17日、IBMが提供する量子コンピューティングサービスについて、重要なアップグレードを発表した。

この発表によると、クラウドで提供されるIBM Qシステムに「20量子ビット」のプロセッサが搭載され、超電導の量子ビット設計、接続性、パッケージングが改善される。コヒーレンス時間(量子計算を実行するために利用可能な時間)は平均90マイクロ秒で、精度の高い量子処理を実現する。また、同社は「50量子ビット」プロセッサのプロトタイプの構築にも成功し、同様の性能指標を持つことを測定により確認した。この新しいプロセッサーは、20量子ビットアーキテクチャを基に拡張され、次世代のIBM Qシステムで利用可能となる予定。ユーザは2017年末までにIBM Qシステムのコンピューティングパワーにオンラインでアクセスできるようになる。

また、同社は2017年初頭に「QISKit Project」を開始した。「QISKit」は、同社が提供する量子コンピュータのシミュレータでプログラムを作成して実行できる。これによって、量子コンピュータを使用する前に量子プログラムを作成・デバッグできる。さらに、量子システムの状態を精査するための新しい機能と可視化ツール、QISKitとIBM Data Science Experienceとの統合、任意の実験を利用可能なハードウェアにマッピングするコンパイラ、量子アプリケーションのサンプルなどがQISKitに追加された。

同社によると、量子コンピューティングは、従来型コンピュータでは永遠に解けなかった問題(最適化の化学シミュレーションなど)を解く可能性があるとしている。

(川原 龍人/びぎねっと)

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