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産総研、安全性を確保したC言語コンパイラ「Fail-Safe C – release 1」を発表

産総研情報セキュリティ研究センターは、4月11日、日本工業規格(JIS)および米国規格協会(ANSI C)規格互換でメモリ安全性を確保したC言語コンパイラ「Fail-Safe C – release 1」の開発を発表した。

「Fail-Safe C」は、C言語で書かれた既存のプログラムをそのまま処理し、プログラム中のメモリ操作の正しさを保証しながら動作させることが可能。そのため、通常のコンパイラの代わりに、このコンパイラを用いてC言語で書かれたプログラムを処理すると、不正コードを含むコンピューターウイルス等によりプログラムが攻撃された場合でも、通常のコンパイラで処理されたプログラムのように実行が汚染されることや不正コードに乗っ取られたりすることを防止し、プログラムを安全に停止させることができ、システム全体の安全性が向上する。

今回公開する「Fail-Safe C – release 1」は、Linux OSで動作し、日本工業規格(JIS)または米国規格協会(ANSI規格)に準拠したC言語プログラムを基本的にすべて動作させることができる。ニュースリリースによると、従来は完全なメモリ安全性とANSI規格への完全準拠を両立したものは存在せず、これを実現したことが本コンパイラの特長だという。

本研究の基盤研究は、2005年3月まで東京大学において行われてきたもの。「Fail-Safe C – release 1」は、Webサイトからダウンロードできる。

(川原 龍人/びぎねっと)

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「Fail-Safe C」Webサイト
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