オープンソース

NTT、新しいファイルシステム「NILFS」をGPLで公開

NTTは9月26日、Linuxのシステム信頼性向上を目的に、サービスを停止することなく、ファイルシステムの瞬間的な状態(スナップショット)を自動的かつ連続的に取得できる新しいファイルシステム「NILFS」(ニルフス:The New Implementation of a Log-structured File System)を開発し、オープンソースソフトウェアとして公開開始したと発表した。

今回発表された「NILFS」を使うと、Linuxを利用したシステムの信頼性を大幅に向上させることができるという。ファイルの世代管理が必要な企業内の業務システムなどへの適用が期待できるという。

「NILFS」の特徴として、
(1)記録済みデータへの上書きを行わず、データの追加や変更分をディスク上の空き領域にチェックサム付きで追記する。これにより、データが破壊される確率が低くなり、また書き込み性能が高いため、データベースサーバへのログの出力のようなファイルの保存に最適である
(2) 一連の書き込み(トランザクション)が完了した時点で、時刻情報付のスナップショットを生成する。このため、一貫性検査が不要であり、障害時の迅速な復旧が可能。また、ディスクの容量が許す限り、いつでも過去の任意の時点の状態を復元可能。
(3) このスナップショットは、連続的かつ自動的に取得されるため、サービスの停止が不要。
(4) ファイルシステムの管理にB-treeを採用することで、大きなファイルや多数のファイルの処理の効率化を実現。
(5) 一般的で安価なPCで利用できるため、企業サーバに限らずデスクトップLinuxでもすぐに利用が可能。

NILFSはGPLに則って公開され、同プロジェクトのWebサイトからダウンロードできる。

(川原 龍人/びぎねっと)

[関連リンク]
NILFSプロジェクト(英語)
ニュースリリース