セキュリティ情報
情報処理推進機構、2014年度年間のコンピュータウイルス・不正アクセス届出状況および相談受付状況を公開
情報処理推進機構(IPA)は1月26日、2014年1年間に寄せられたコンピュータウィルス・不正プログラムの届出状況を公開した。
2014年の年間届出件数は2013年の6,596件から1,582件(24.0%)少ない5,014件。また、年間のウイルス検出数は2013年の195,550個から112,522個(57.5%)少ない83,028個となり、減少している。ウィルス別検出数では、自身の複製をメールの添付ファイルとして拡散する、いわゆるマスメール型ウィルスであるW32/Mydoom、W32/Netskyが多く検出された。
一方、2014年の不正プログラム検出数は380,625個で、2013年の233,341個から、147,284個(63.1%)の増加となった。年間検出数の第1位は、インターネットバンキングのIDとパスワードを窃取するBancosで、検出数は65,942個。なお、2013年は30,867個なので前年比較では倍増しているが、2014年5月以降は激減している。
2014年のコンピュータ不正アクセス届出件数は、合計120件(前年比約28%減)で、そのうち被害があった件数は102件(前年比約35%減)と全体の約85%を占めた。また、実際に被害があった届出(102件)のうち、原因の内訳はID・パスワード管理の不備が17件、古いバージョン使用・パッチ未導入が11件、設定不備が10件など。
2014年のウィルス・不正アクセス関連の相談件数は15,598件。そのうち「ワンクリック請求」に関する相談が3,301件、そのうちスマートフォンにおける「ワンクリック請求」に限ると790件の相談があり、前年比でほぼ倍増した。相談のうち「インターネットバンキング」158件(2013年:147件)と「ランサムウェア」35件(2013年:22件)が増加傾向にあり、これらに関する相談が今後も増加し続けることが懸念される。
(川原 龍人/びぎねっと)