セキュリティ
情報処理推進機構、テレワークのセキュリティに関するアンケート調査結果の中間報告を公開
情報処理推進機構(IPA)は2020年12月25日、「ニューノーマルにおけるテレワークとITサプライチェーンのセキュリティ実態調査」の一部を中間報告として公開した。
2020年4月に新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が出され、テレワークやオンライン会議など新しいワークスタイルに取り組む企業が急速に増加した。一方で、急速なICT環境の整備により、セキュリティ施策が十分とは言えない状況にある。IPAは、こうしたICT環境の変化について、個人および企業へのアンケート調査を行った。今回は、個人へのアンケート調査結果を中間報告として公開する。本調査では、回答者2,372人のうち約7割が取引先の行動の変化を感じており、さらに取引先企業がテレワークを実施している回答者1,986人のうち約5割が取引先のセキュリティ対策に何らかの不安を感じていることが明らかとなった。
本調査で明らかになった主なポイントは以下の通り。
1. 回答者の約75%がテレワークを経験し、そのうち約60%が緊急事態宣言後にテレワークを導入した。また、会社業務にWeb会議ツールを利用している人の割合は、緊急事態宣言前は45.7%だったのに対し、緊急事態宣言中に73.7%、緊急事態宣言後は77.4%と拡大している。
2. 回答者の約7割が取引先の行動に変化を感じており、取引先企業がテレワークを実施している回答者の約5割がセキュリティ対策に不安を感じていると回答した。不安に思っている内容として、情報漏えい発生時の経路判別や、取引先のテレワーク環境のセキュリティ対策が挙げられている。
IPAでは企業へのアンケート結果についても2021年1月以降、中間報告として公開する予定。また本調査の結果をもとに、ITサプライチェーンにおけるセキュリティ脅威やリスク、および課題などの観点から分析、有識者、企業へのインタビューを行い、最終調査報告書を2021年春に公開する予定。
(川原 龍人/びぎねっと)