セキュリティ
エフセキュア、人工知能を利用したリサーチプロジェクト「Project Blackfin」を開始
エフセキュアは11月22日(現地時間)、同社の検知および対応技術として使用されている分散型人工知能 (AI) メカニズムをさらに推進するためのリサーチプロジェクト「Project Blackfin」を始動させたと発表した。このプロジェクトは、AIとサイバーセキュリティの研究者、数学者、データサイエンティスト、マシンラーニングのエキスパート、エンジニアなどで構成されるチームによる、適応型の自律AIモデルを作成することを目的とした取り組みとなる。
このプロジェクトの目的として、個々のホストで実行されるインテリジェントエージェントを開発することが挙げられている。エージェントは、ローカルホストおよびネットワークから観察した内容に基づいてシステムを保護することを学習し、様々な組織や業界で学習した観察および緊急行動によって、さらに強化されることになる。また、エージェントは、完全なデータセットの共有なしに、広大な情報ネットワークの可視性と洞察のメリットを活用することができるようになるとしている。
プロジェクトでは、構想を最大限に実現するには数年を要すると予想しているが、エフセキュアでは既にProject Blackfinを通じて開発されたODI (オンデバイスインテリジェンス) メカニズムを同社の侵害検知ソリューションに実装しているという。また、Project Blackfinの研究の潜在的な用途は、企業のセキュリティソリューションやサイバーセキュリティ業界だけに留まるものではなく、コンピュータネットワークや送電網、自動運転車などのシステムの全体的な健全性、効率、有用性を監視するAIエージェントとしての活躍も視野に入れているという。
(川原 龍人/びぎねっと)
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