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0からのIPアドレスの振り方

はじめに

この文書は、これから小規模なLAN(Local Area Network)を構築しようとする人のために、IPアドレスの振り方を解説した文章です。とりあえず少数のマシンをEthernetで接続できればよい、ということを前提に、説明を簡略化してあります。

IPアドレスとは何か?

IPアドレスとは、ネットワークに接続されたコンピュータを識別するために使用される数値です。IPアドレスは、現在の仕様では32桁の2進数、すなわち32ビットの数値で表されます。通常は8ビット(=1オクテット)ごとに「.」(ピリオド)で区切り、10進数に直して「192.168.100.34」のように表記します。区切られたそれぞれの数値を第1~第4オクテットと呼ぶこともあります。

インターネット上のIPアドレスは無作為に割り振っていいものではなく、厳密に管理されています。これを「グローバル(IP)アドレス」といい、インターネット上では常に一意である(同じ値が2つとない)ことが要求されます。割り振りもバラバラに行われるのではなく、IPアドレスを必要とする組織に対して一揃いのIPアドレスがセットで割り当てられます。従来は、このセットの大きさによってクラスA(約1000万アドレス/ネットワーク)、クラスB(約65000アドレス/ネットワーク)、クラスC(254/ネットワーク)のIPアドレスが割り当てられていましたが、現在はIPアドレスの枯渇が懸念されているため、クラスによらずに出来るだけ必要数に近い形での割り当てが行われています。

グローバルアドレスは、インターネットという大きなネットワークで使用されるアドレスなので、厳密に管理されています。これに対して、社内や家庭内などで使う小規模なネットワークでは、比較的柔軟にIPアドレスを割り振ることができます。それでも、グローバルIPアドレスとの接続は考慮に入れる必要があります。実際、グローバルIPアドレスに使わない特殊なIPアドレスを割り振ることが推奨されており、このIPアドレスのことを「プライベート(IP)アドレス」といいます。プライベートアドレスとして定義されているのは以下のアドレスです。

クラスA 10.0.0.0~10.255.255.255(ネットワークは1個)
クラスB 172.16.0.0~172.31.255.255(ネットワークは16個)
クラスC 192.168.0.0~192.168.255.255(ネットワークは256個)

小規模なLANを構築するには、このプライベートアドレスのうち、クラスCのアドレスを利用するのがよいでしょう。

小規模LANをIPで構築する

ここで構築を想定しているLANは、EthernetのHUBが1つあり、これに数台のコンピュータが接続するようなものです。以下、このLANをTCP/IPで接続していきましょう。

ネットワークアドレスを決める

ネットワークは何台かのコンピュータの集まりと見ることができますが、このネットワーク自体を識別するためのIPアドレスを決める必要があります。これを「ネットワークアドレス」と言います。

「ネットワークアドレス」は、IPアドレスのうちの「ホスト部」と呼ばれる部分が全て0になるアドレスです。ホスト部はアドレスクラスにより異なり、クラスAは第2、第3、第4オクテットが、クラスBは第3、第4オクテットが、クラスCは第4オクテットがホスト部となります。
クラスCのプライベートアドレスでのネットワークアドレスは、第1、第2オクテットは「192.168」で固定され、第4オクテットは「0」になるので、ネットワークアドレスとして取り得る値は第3オクテットが0~255まで、すなわち192.168.0.0から192.168.255.0の256個となります。

ここでは第3オクテットの値が「1」である「192.168.1.0」をネットワークアドレスとしておきます。

ネットマスクを決める

さきほど、「クラスCのプライベートアドレスで取り得るネットワークアドレスは256個」と書きましたが、厳密に言うと256個とは限りません。「サブネット」を使用すると、1つのネットワークをさらに細かくサブネットに分割して、取り得るネットワークアドレスを増やすことが可能です。このサブネット化を行うために使用されるのが「サブネットマスク」です。

ここでは、ネットマスクは「255.255.255.0」としておきます。このネットマスクは、クラスCのネットワークアドレスをサブネット化せずに使うネットマスクです。

ブロードキャストアドレスを決める

「ブロードキャストアドレス」は、ネットワーク上にある全てのコンピュータに対して通信を行うために使用されるアドレスです。ホスト部を2進数で全て「1」とすると、ブロードキャストアドレスになります。クラスCの場合には第4オクテットが全て2進数で1となり、これを10進数で表すと「255」となります。そのため、ここでは「192.168.1.255」がブロードキャストアドレスとなります。

ホストアドレスを決める

ネットワークアドレス(192.168.1.0)とブロードキャストアドレス(192.168.1.255)を除いた192.168.1.1~192.168.1.254までの254個のアドレスを、ネットワークに接続するコンピュータのIPアドレスとして割り振ることが出来ます。基本的に割り振り方は自由ですが、管理のし易さからある程度割り振り方のポリシーを決めておく方がよいでしょう。以下は一例です。

1~10 特に重要なサーバー用のアドレス
11~99 固定的に使用しているワークステーション等に使用するアドレス
100~254 クライアントPC等に使用するアドレス。動的アドレス用

動的IPアドレス

IPアドレスは、基本的にネットワークに接続するコンピュータ1台につき、1つずつ割り振る必要があります。しかし、この割り振りが1台、2台程度であれば楽ですが、何十台ものコンピュータを管理しなくてはならなくなった時に、いちいち管理者が一台一台にIPアドレスを割り振るのは面倒ですし、コンピュータを入れ替えたときなどの管理も大変です。このようなときには、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)を利用するのが便利です。

『DHCPサーバーを動かそう』(びぎねっと 読みもの)

DHCPの仕組みは、サーバーとクライアントに分かれます。DHCPサーバーは、そのネットワークで利用できるIPアドレスをまとめて管理しています(上記例だと192.168.1.100~192.168.1.254)。DHCPクライアントからIPアドレスの割り当てのリクエストが行われると(通常はPCの起動時などに行われます)、DHCPサーバーは自分の管理アドレスの中から利用可能な(つまり、未だ使われていない)アドレスを利用するようにクライアントに通知します。通知を受け取ったクライアントは、DHCPサーバからIPアドレスやサブネットマスク、ネームサーバ、ゲートウェイなどの情報を受け取って、ネットワークに接続します。

このように、一旦DHCPサーバーを設定してしまえば、アドレスが不足しない限り、物理的にネットワークに接続させるだけで、新しいコンピュータのネットワークへの追加を容易に行うことができます。ただし、DHCPサーバが割り振るIPアドレスはその都度変わるため、サーバーのように色々なコンピュータからアクセスされるようなものについては、DHCPを使わず固定IPアドレスを割り振るようにしましょう。

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